サイコロをあるパターンが出るまで投げ続ける
サイコロ振り続けるとき、目がの順に連続して出るまでにサイコロを何回振るか、その回数の期待値を一般的に求めよう。もっと直接的にも計算できるけれど、ここではマルチンゲールを利用してみる。
命題 として
たとえば1が6回連続して出るまでに振る回数の期待値はなのでであり、123456と連続して出るまでの期待値はなのでとなる。
先に用語、記号の説明とあとで証明する補題を列挙し、それらを使って証明する。
を、条件の出目順が出るまでにがでる回数の期待値とする。
補題1 として
は他のより計算しやすいというのがポイント
確率変数をn回目の目とし、フィルトレーションを
と定義する。
確率変数をn回目までに目iが出た回数とする。
を、条件を満たした時の回数を表す確率変数とする。明らかにこれはに関する停止時刻。
補題3
補題4
これはちょっと不思議な感じがする。
以下、各補題を証明する。
補題1 として
証明 確率変数を、サイコロを振り始めて最初にが出てからその「チャンス」が継続している間に出たの目の総数とする。但し「成功」した場合はとする。
例 , のとき
出目順が53124134...なら 53[12]4134 と括弧で括った中にある1の数を数えて
21121111なら2[1]121111で
12111213なら[1211]1213で
次に確率変数を、のカウントを終えたのち、そこから改めてサイコロを振り始めたと考えるときのに相当するものとする。も同様。するとは独立同分布であり、
□
証明 の適合性、可積分性は明らか。 残りの条件は
によって分かる。□
補題3
証明 に対して
であるから
□
補題4