重複して集めるクーポンコレクター問題
種類のアイテムからなるガチャでどのアイテムも確率で出現するとする。全てのアイテムをコずつ重複して集めるまでに引くガチャの回数の期待値を評価してみましょう。1種類ずつ集める場合の期待値はよく知られていますが、複数ずつ集めるとなると証明の難易度が上がり、結果は以下のようになります。
(Donald J. Newman 1960)
定数は
のようですが、今回はここまで証明しません。
まず、多項式または級数 について、どのについてみても次数が次以上である項を削除した多項式をと表わすことにします。
回目にすべてのアイテムを種類ずつ集めていない確率は
なので
と定義します。もちろんです。
すぐに分かることとして
(1)
(2)
がだったらの計算に利用できるので、これを置きかえる工夫をします。利用するのは
これは部分積分から簡単に確認できます。
を代入すれば結果が得られる。□
但し,
であるからあとは
(1)
(2)
を示せば目標を達成します。
(1)
であり、発散の可能性はの近傍にある。
においてであることが級数展開の係数比較から分かるからつまり
したがっての近傍ではのオーダーでおさえられているから発散しない。
一方の近傍については、において
より
であり、
ならはの近傍で発散しないことから発散しない。□
(2)
まずを上から評価すると
より任意のに対して
よって
なるべく最後の式が小さくなるようなとしてをとるとを定数として
とおさえられる(単純だが計算は少々面倒)。
なのでは収束する。
次に下から評価する。
として
さらにであれば
であるから
を代入することでを定数として
とおさえられる(やはり単純な評価だけど計算は少し面倒)。後は上から評価したときと同様。□
.