ファウルハーバーの公式
冪乗和
に関する一般的な公式について見ていきます。和はn-1までとなっていることに注意してください。
ベルヌーイ数 を
で定義する。
少し並べてみると
実はこの後も奇数番号では0となります。
#1 kが3以上の奇数のとき
と変形するとこれは偶関数であることが分かる。□
少し並べてみると
もし二項定理との見た目の類似から
と表記してしまうと
と書けます。
次に、は当然だがについても
#2 において
において係数比較すると
左辺はまさしくとなっている。□
#3 において
□
ちなみにこの性質はベルヌーイ数の性質から出てきたのではなく、どんな数列からでも同じような手法で多項式列を構成すればこの性質を持つことになります。
#4 において
#2より
□
次が導出のためのメインの公式となります。
#5 を滑らかな関数とする。このときで
が成り立つ。
帰納法で示す。の場合を書き下すと
これは部分積分から簡単に確認できる。
mで成立していると仮定する。#3と部分積分から
であるから
を確認すればよい。#1, #2によりmが奇数ならそのまま一致し、偶数なら両辺とも0であることが分かる。□
大雑把な捉え方としては、仮に最後の剰余項といえる項がで0に収束するとすると、
とすれば
となって、これはを計算するためにとなるを求めることに対応します。
#6 整数として
但しつまりの定義域をに制限してから周期1の関数となるように繰り返した関数とする。
に対して#5を適用し、総和をとることで得られる。□
ファウルハーバーの公式
のとき
#6 を として適用すると
#4より最後の項(剰余項)は消えて
□
もしまで足してかつ公式の形はそのままにしたいならとだけ変更する必要があります。